日本放射線影響学会 / THE JAPANESE RADIATION RESEARCH SOCIETY

低線量・低線量率放射線による生物影響発現

論文標題 Biological Effect by low dose and low dose rate irradiation
著者 大西武雄 内海 博司 大西 武雄 小野 哲也 小松 賢志 鈴木 文男 高橋 昭久 中村 典 丹羽 太貫 法村 俊之 松本 英樹 渡邉 正己
雑誌名・巻・
 ページ・発行年
株式会社アイプリコム:2003年2月20日発刊
キーワード 低線量 , 生物影響 , p53 , DNA損傷 , DNA修復

 約40億年前の誕生以来、生命はその進化の過程においても低線量放射線に曝されてきた。社会的にもインパクトの大きい放射線の生物影響の解明は焦眉の急であり、生命科学に深く踏み込んだ低線量・低線量率放射線影響の学術的基盤の形成が急がれている。生体は放射線を受容し、認識し、応答する。その分子機構を明らかにしていくことは学問的にも大変興味深く大きなテーマである。放射線被曝後の細胞内での連続した化学反応をシグナル伝達として捉えることができてきた。特に,癌抑制遺伝子p53を中心とした学問体系が積み重ねられ、そのしくみが理解されるようになってきた。また、放射線によるDNA損傷の実態とその修復酵素および遺伝子が同定され、修復の分子機構が解明されてきた。これらのことが放射線による生物影響を理解することに大いに貢献してきている。今、これらの「放射線と生命とのかかわり合い」を整理しまとめた。

印刷・発行所 株式会社アイプリコム
〒634-0246 奈良県磯城郡田原本町千代360-1
Tel 07443-4-3030
価格 1500円  平成15年2月20日発刊